この哺乳類の歯は何回生え替わったのか?

研究チームが歯を調べたところ、この哺乳類は歯が何世代にもわたって生え替わっていたらしいことが分かりました。
このように歯が何度も生え替わる性質を、「多生歯性(たせいしせい)」と呼びます。
哺乳類の歯は形によって4つのタイプに分けられますが、この化石ではその4タイプすべてで、一部の歯の位置に複数の世代の歯があると見られました。
研究チームによると、4タイプすべてでこうした生え替わりが見られる哺乳類は、知るかぎりこれがただ一つだといいます。
しかも、奥歯のような形をした歯までが生え替わっていました。
近い仲間の「ゴビコノドン類」でも、同じように何度も生え替わる歯や、奥歯のような形の歯の生え替わりが見られます。
研究チームは、こうした性質がこの仲間で再び現れたのは、彼らの暮らし方や、肉を食べる食性とおそらく関係していると考えています。
実際、今回の哺乳類も、肉を食べる動物だったと見られています。
今いる哺乳類の多くは歯が2世代だけです。この性質は、精密なかみ合わせや、体がある大きさで成長を止めるしくみなど、ほかの特徴の進化にとってかなめだったと長く考えられてきました。
今回の化石は、恐竜の時代の哺乳類の中に、この「2世代ルール」から外れていたらしいものがいたことを示しています。
研究チームは、この発見が哺乳類の歯の進化の理解を深めるものだとしています。
歯は一度しか生え替わらないという私たちの「当たり前」も、長い進化の歴史の中では、ただ一つの決まった答えではなかったのかもしれません。
もっとも、歯が何度も生えてくると知ったら、歯みがきをさぼる言い訳が一つ増えるだけかもしれません。






















