派手な羽なのに捕まらない、チョウのちぐはぐさ

チョウの羽の模様が何のためにあるのかについては、これまで異性へのアピールや体温の調節、身を隠すためなど、さまざまな説が議論されてきました。
一方、チョウより地味な色のガは、鳥やコウモリ、ネズミなど、たくさんの天敵に狩られています。
しかもヨーロッパのチョウには、毒があったりまずかったりする種がほとんどいないと、共著者のジョージ・ハンコック氏は述べています。
そこでチームが疑ったのが、「モーション・ダズル」(動く体の模様が、相手に速さや向きを見誤らせる目くらまし)と呼ばれる仕組みでした。
シマウマやヘビのしま模様も天敵の目に映る動きを狂わせると昔から考えられてきましたが、それを裏づける証拠はほとんど得られていませんでした。
ここでヒントになるのが、床屋の店先で回るサインポールです。
サインポールはその場で回っているだけなのに、人の目にはしま模様が上へ上へと昇っていくように見えます。
これは、人の目が動きを読み取るときのくせから生まれる、よく知られた目の錯覚です。
チームはまず、飛び立つ本物のチョウを、1秒間に1000コマを超える高速カメラで撮影しました。
そしてその映像を、小さな鳥の見え方をまねたコンピューターのモデルに通し、天敵の目にはチョウがどう映るのかを調べたのです。




















