肌の「ハリ」を測る物差しはバラバラだった

飲むコラーゲンの研究では、肌のしわの深さ、うるおい(肌の水分量)、弾力などが調べられてきました。
しかし、これまでの試験では、しわが浅くなったという結果もあれば、そうではない結果もあり、答えがそろっていません。
さらにややこしいのは、肌の状態を測るやり方が研究ごとにさまざまだという点です。
そこで近年、複数の研究の結果を集めて全体として効果があるのかを見きわめる「メタ分析」(多くの研究結果をまとめて分析する方法)が行われてきました。
ただし、測り方がバラバラなデータを1つにまとめてよいのかについては、疑問の声もありました。
もし比べられないものを無理に足し合わせていれば、出てきた答えの中身も怪しくなってしまうからです。
そこで研究チームは、飲むコラーゲンについての主要なメタ分析を取り上げ、そのやり方と報告された結果を細かく調べ直しました。
さらに、メタ分析の土台になった元の研究を集め直し、それぞれの研究で飲んだコラーゲンの総量の違いも考えに入れて、改めて効果を分析しました。
この分析は「メタ回帰」と呼ばれ、ここでは研究ごとの量の違いを考えに入れて効果をまとめ直すために使われています。
では、点検の結果、「飲むコラーゲンは肌に効く」という根拠はどうなったのでしょうか。
点検の結果、肌への効果は確かめられたのか?

結論から言うと、量の違いまで考えに入れて分析し直したところ、コラーゲンを飲むことで肌に良い効果があるという証拠は見つかりませんでした。
これは、以前のメタ分析が報告していた結果とは、くっきりと食い違うものです。
では、なぜ以前の分析と答えが変わったのでしょうか。
チームが取り上げた2つのメタ分析を調べると、どちらにも、元になった研究のデータが正確に載っていない部分がありました。
さらに、本来は一緒にしてはいけない種類の測定値を、まとめて扱っていたことも分かりました。
こうした組み合わせ方は、実際には無い効果があるように見える「見かけの結果」を生みやすいと、研究チームは指摘しています。
つまり、「効く」という結論を支えていた土台そのものが、ぐらついていた可能性があるのです。
ただし、今回の結果は「コラーゲンは肌に効かないと証明された」という意味ではありません。
あくまで、いまある研究を調べ直してまとめると、効果があると言える証拠が見当たらなかった、ということです。
研究チームは、結果を医療の現場で役立つものにするには、コラーゲン研究のまとめ方にもっとしっかりした方法の裏づけが必要だと述べています。
「たくさんの研究をまとめた結果」という言葉は心強く聞こえますが、その答えは、数字の集め方と比べ方しだいで大きく変わりうるのです。
お肌のハリを気にする前に、まずは研究の「データのハリ」を気にしてみる時代が来たのかもしれません。





















👍