サイコパスは「3つの特徴」で見る

研究者たちは、サイコパスをひとつのかたまりとしては見ていません。
心理学では、サイコパス的な特徴を「大胆さ」「意地の悪さ」「抑えのきかなさ」という3つの特徴でとらえる考え方があります。
これは「三要素モデル(サイコパスを3つの特徴から理解し、評価するための枠組み)」と呼ばれています。
しかもこの3つの特徴は、ふつうの人も多かれ少なかれ持っているものです。
心理学の博士課程に在籍するカイ・ブレイ氏は「誰もがこの物差しのどこかにいて、ある程度の意地の悪さ、大胆さ、抑えのきかなさを持っています」と述べています。
物差しの一方の端に世間でいう「サイコパス」がいて、もう一方の端に3つの特徴がどれも低い人がいる、というイメージです。
研究チームのローラ・ドリスレーン助教によると、こうした特徴は、自分のことをどう話すかといった日常のふるまいにも影響しうるといいます。
そこでチームは450人の参加者に協力してもらい、言葉とサイコパス的な特徴の関係を調べました。
参加者には大学生のほか、過去に刑務所などに収容されたことがあると答えた人も含まれていました。
参加者はまず、人生でいちばん良かった時、いちばんつらかった時、そして転機となった出来事について、自由に文章で答えました。
そのあとで、サイコパス的な特徴の強さを測るアンケートに答えています。
チームは文章を分析するソフトを使い、明るい調子の言葉、暗い調子の言葉、達成に関わる言葉、影響力に関わる言葉、リスクに関わる言葉などが、どれくらい使われているかを調べました。
ブレイ氏は「言葉からサイコパスを診断することが目的ではありません」と断ったうえで、言葉のような小さなふるまいにも特徴が表れることを示したかったと話しています。
3つの特徴は、言葉にどう表れていたのか?

分析の結果、3つの特徴は、それぞれ違った言葉づかいのパターンと結びついていました。
まず「抑えのきかなさ」が強い人ほど、暗い調子の言葉を多く使う傾向がありました。
その一方で、友人について触れることや、明るい言葉、達成に関わる言葉を使うことは少なめでした。
次に「意地の悪さ」が強い人ほど、明るい調子の言葉や、達成やごほうびに関わる言葉を多く使っていました。
しかも、ネガティブな感情を表す言葉は、むしろ少なかったのです。
そして「大胆さ」が強い人ほど、「恐れ」「怖い」「心配」といった不安に関わる言葉が少なく、心の病気に触れることも少なめでした。
さらに、どの言葉がどの特徴と結びつくかは、人生のどの場面について答えていたかによっても変わっていました。
つまり、サイコパス的な特徴をもつ人の言葉は、よく描かれるような感情のない空っぽなものではなく、場面と特徴によって形を変えるものだったのです。
ドリスレーン助教は「私たちが自分の人生について語る物語には意味があります」と話します。
人生の物語は、経験を理解し、ものの見方を育て、自分が何者なのかという筋の通った感覚をつくる助けになるからです。
さらに助教は、サイコパス的な特徴の中には、経験の意味づけ方や人生のとらえ方の違いに関わるものがあると見え始めている、と述べています。
ブレイ氏も、サイコパスを多面的にとらえることで、罪を犯していない大学生やビジネスの場で働く人にこうした特徴がどう表れるか、また人間関係の中でどう表れるかを見られるようになると話しています。
今回の分析では、明るく前向きな言葉の多さは「意地の悪さ」の強さと、暗い言葉の多さは「抑えのきかなさ」の強さと結びつく傾向が見られたのです。
サイコパスとは、遠いどこかにいる冷たい誰かのことではなく、私たち一人ひとりの中に少しずつある特徴の名前なのかもしれません。






















新システムなのですね。