イタリアの579人で「オーガズム・ギャップ」を調べる

オーガズムは快感が頂点に達する体験で、筋肉がリズミカルに縮んだり、血の流れやホルモンの働きが変わったりといった体の反応をともないます。
基本的な体の仕組みは男女でおおむね似ていますが、男女のカップルでは女性のほうがオーガズムを経験する回数が少ないとされてきました。
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その理由としては、体のつくりや刺激のされ方、ストレス、性への自信などに加えて、心の近さや会話といった「二人の関係」も挙げられています。
研究チームがイタリアを選んだ理由の一つは、伝統的な文化や宗教の影響が残る一方で、性への開放的な考え方や男女の役割の変化も広がっている国だからです。
調査に参加したのは、決まったパートナーがいる18〜60歳の異性愛のイタリア人579人です。
参加者の多くは中年で、パートナーと10年以上連れ添っている人たちでした。
参加者は、パートナーとの関係のよさ、性への満足、性交以外の性の営み、性生活の頻度などを尋ねる質問票に答えました。
オーガズムの回数は、「ほぼいつも」から「まったくない」までの5段階で答えてもらっています。
まず予想どおり、男性のほうが女性よりオーガズムに達する回数が多いと答えていました。
男性の平均は「ほぼいつも」寄り、女性の平均は「たいてい」に近く、この差は年齢や学歴、仕事、子どもの有無、交際の状況では説明できませんでした。
では、オーガズムの多さと結びついていたものは、男女で同じだったのでしょうか。
オーガズムと結びついていたものは男女で違った?

男女に共通していたのは、オーガズムが多い人ほど性的に興奮しやすく、性の営みのバリエーションが豊かで、もっと頻繁にしたいと望む傾向があったことです。
また男女とも、オーガズムが多い人ほどパートナーとの関係もよい傾向がありました。
具体的には、大事なことで意見が合うこと、会話や一緒の活動に時間を使うこと(研究チームはこれを「心の近さ」と呼んでいます)、関係全体に満足していることです。
これらのつながりは女性でやや大きめでしたが、男女の差ははっきりしたものとまでは言えませんでした。
男女の違いがいちばんはっきり表れたのは、「性生活への満足」でした。
女性では、オーガズムの多さが、性生活への満足、パートナーのふるまいを楽しむ気持ち、興奮のしやすさ、愛情のこもったスキンシップと、中くらいの強さで結びついていました。
一方の男性では、こうしたつながりは弱いか、ほとんど見られませんでした。
つまり、性生活に満足できているかどうかとオーガズムがよりはっきり結びついていたのは、男性より女性のほうだったのです。
さらに女性では、オーラルセックスが多い人や、性的な空想をパートナーと打ち明け合う人ほどオーガズムが多い傾向があり、これは男性には見られませんでした。
反対に男性のオーガズムの回数には、アナルセックス、性具(セックストイ)、アダルト向けの映画や本、ウェブサイトとのつながりが見られ、これらは女性では関係がありませんでした。
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研究チームはこれを、男性のオーガズムが目新しさや刺激と結びついているしるしだと解釈しています。
ただし、この研究を紹介した海外の心理学メディアは、論文に載っている相関の向き(一方が増えるともう一方も増えるのか、減るのか)がこの解釈と合っていないと指摘しており、この点は慎重に受け止める必要があります。
また研究チームは、女性のオーガズムは心や関係の要因とより強く結びついていると結論づけています。
しかし、関係のよさとのつながりについては、論文自身の統計的な検定で男女の差がはっきり出ておらず、この結論はデータより少し踏み込んでいるとも指摘されています。
そもそも今回の結果はアンケートで分かった「つながり」で、どちらが原因でどちらが結果なのかまでは分かっていません。
参加者も、長く連れ添った中年の異性愛カップルが中心です。
研究チームも、今後は年代や性のあり方が異なる人たちでも調べる必要があるとしています。
オーガズムの回数だけを見ると男女の差が目立ちますが、それが満足とどう結びつくかは、男女で少しずつ違っていたのです。
相手の満足を回数だけで測るのではなく、何に満たされるのかを二人で話してみることも大切なのかもしれません。
とはいえ、ベッドの中でいきなりアンケート用紙を差し出すのは、さすがにムードが台無しなのでやめておきましょう。





















