性的表現と「男らしさ」の関係
これまでの性科学研究によって、性行動は「男らしさ」を表現するのに重要な役割を持っていることが示されています。
個人的な会話の場で、男性はしばしば自分の性経験を積極的に公表し、自分がいかに性的に優れ、巧みであるかを誇示します。
また、知人男性の「男らしさ」を他人に伝えるときにも、性行動の情報は非常に大きな役割を果たしています。
ボクシング映画『ロッキー』で、主人公ロッキー・バルボアのリングネームは「イタリアの種馬」ですが、これは彼の「男らしさ」や「タフガイさ」を演出するためのものです。
また「100人斬り」「1000人斬り」といった性体験の多さを示す言葉も、特定の文化において男性の「男らしさ」を演出する効果があります。
一方、性行動の情報には性行為の頻度やパートナーの多さなどの量的なもの以外にも、相手をいかにオーガズムに導いたかといった質的なものも含まれます。
しかし既存の性科学研究は主に量的な面に焦点が置かれており、質的な面についてはまだ十分に研究が進んでいない部分もあります。
そこで今回、ペンシルバニアウェスタン大学の研究者たちは、女性をオーガズムに導く能力が「男らしさ」に与える影響を調べることにしました。