・子どもがスマホなどの画面をみる時間は、睡眠時間に「ほとんど」影響を与えていないことが明らかになった
・スクリーンを眺める時間が長い子どもたちは、その時間「1時間」につき「3~8分」の睡眠時間の減少がみられた
・あくまでも研究のデータは両親の「自己申告」に基づくものであり、研究は完璧なものではない
オックスフォード大学の研究者らによる研究が、子どもがスマホなどのスクリーン画面を見る時間が、ほとんど睡眠時間に対して影響を与えないことを示唆しています。これまでの研究では、スクリーン画面を見ることが子どもの睡眠不足につながっていることが主張されてきましたが、この研究はそういった主張を覆すものです。
Digital Screen Time and Pediatric Sleep: Evidence from a Preregistered Cohort Study
https://www.jpeds.com/article/S0022-3476(18)31384-2/fulltext
研究で用いられたのは、2016年でアメリカで実施された調査のデータ。そこでは生後6ヶ月~17歳の50,000人以上の子どもたちの「生活に関するアンケート調査」が実施されています。
「スクリーン・タイム」を測定するために尋ねられた質問は2つ。いずれも「平日」において、「どのくらいの時間をスマホや手持ちゲームなどのスクリーン画面をみて過ごすのか」、そして「どのくらいの時間をテレビをみたり、テレビにつないだゲームをして過ごすのか」といったものです。
調査の結果、スクリーン・タイムの長い子どもたちは、そうでない子どもたちよりも「少しだけ」睡眠時間が短いことが明らかになりました。具体的には、スクリーン・タイム「1時間」につき「3~8分」の睡眠時間の減少が見られたとのことです。
これだけスマホやゲームが普及した世の中で、子どもたちにとってスクリーン・タイムは必要不可欠なものとなっています。それだけに、その時間が子どもの身体や精神にどのような影響を与えてしまうのかを心配する親は少なくありません。
しかし、研究を行なった Andrew Przbylski 教授は、これまでの「スクリーン・タイム」と「睡眠時間の減少」の関係を裏付けてきた研究は規模が小さく、この問題の結論を出すことはできていないと主張します。とはいえ教授は今回の研究についても、あくまでも両親からの「申告」に基づくものであり、完璧なデータとは言えないことは認めています。
スマホが爆発的に普及したのがつい最近であることを考えれば、子どものスクリーン・タイムの制限については、まだまだ慎重な議論が必要になることは明らかです。しかし、スティーブ・ジョブズが自らの子どもにデバイスを扱う時間を制限していたように、多くのテクノロジーカンパニーの重役は、身内に対してスクリーン・タイムの制限を課していることが多いと言われています。
私たちはこの情報社会の中で、今まで体験することのなかった新たな問題に直面しています。何が正しく、何が正しくないかは、各自で責任を持たなければならない時代を生きているのです。



























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