
■8年以内に地球に接近して、大きな被害をもたらす可能性があると考えられていた “2017 RH16” と呼ばれる小惑星がある
■最新の観察により、その軌道が当初の予測よりもはるか地球から離れた場所を通過することが確認された
■“2017 RH16” のサイズは近年ロシアを襲った隕石の約2倍であり、衝突を免れたのはかなりのグッド・ニュースである
8年以内に地球に接近して「大惨事」をもたらす可能性があると考えられていた小惑星 “2017 RH16” 。
しかし、ハワイ大学の天文学者と欧州宇宙機関(ESA)の共同チームの最新の予測により、その心配がなくなったことが明らかになりました。新たなデータでは、“2017 RH16” が地球に最接近するのは2026年の8月31日であり、地球から200万マイル以上離れた場所を通過するであろうとのことです。
space situational awareness NEAR-EARTH OBJECTShttp://neo.ssa.esa.int/c/document_library/get_file?uuid=28e28c7a-4cdc-4f4e-9ba9-869db123fa1f&groupId=10157
サッカー・スタジアムほどの大きさをもつ “2017 RH16” は、8年以内に地球の2,628マイル(4,229キロメートル)以内を通過すると考えられていました。これは宇宙規模でみると非常に近い距離であり、多くの通信衛星がその約10倍の距離を保っていることを考えれば、その「近さ」に実感が伴います。
実はこのニュース、かなりのグッド・ニュースであることがいえます。というのも、“2017 RH16” はその直径が2013年にロシアのチェリャビンスクに落下した隕石のおよそ「2倍」であり、ESAが予測した「衝突リスク」においてもトップクラスに指定されていたものでした。多くの人的被害をもたらしたあのロシアの隕石よりも規模が大きな小惑星が、地球のどこかに落ちていたかもしれないと考えると、恐ろしいものがあります。
しかし、これでひと安心。2020年代後半には、恐ろしくてどこに行く予定も立てられなかった心配性の方もいたでしょうが、この先は安心してカレンダーの空白を埋めていけそうです。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/17531