■影響は温室効果ガスの数倍以上
野菜だけでなく、有機的な牛肉や乳製品にも気候を悪化させる危険性があります。というのも、牛を無農薬で飼育するには、有機的作物を飼料として使うため、その分だけまた農地が必要となり、森林伐採につながっています。
研究チームは、有機農法の森林伐採による炭素排出量を評価するために「炭素機会費用(Carbon Opportunity Cost)」と呼ばれる新たな測定方法を用いています。この測定法は、森林に蓄えられている炭素量および、森林伐採に伴う二酸化炭素の排出量を考慮したものです。すると、農地拡大に伴う全体的な炭素排出量は、農薬農法と比べて圧倒的に多かったことが判明しています。
ウィルセリウス氏は、「有機農法による環境への影響を見落とすことは、非常に問題だ」と説明しています。というのも、有機農法の炭素排出量は、地球温暖化の主たる原因となっている温室効果ガスよりも数倍以上の影響力があるからです。
さらにスウェーデンでは、有機野菜の栽培量増加が目標にされており、このまま実行されていけば、温暖化への悪影響はまちがいなく高まりつづけるでしょう。有機野菜は、私たちの健康に役立つかわりに、地球の健康を害する悪性の腫瘍となっているかもしれません。
体に良い=地球にも良いというイメージがありますが、必ずしもそう上手くはいかないようです。人体だけでなく、地球にも優しい方法の開発が期待されます。
via: dailymail , sciencedaily / translated & text by くらのすけ