■風邪などで体調が悪い時の欧米の定番料理「チキンスープ」は、その成分や形態の一つ一つが風邪の治癒を促す
■スープの水分は水分補給に役立ち、塩分が味覚を助け食欲を促すだけでなく、その湯気にも効果が
■鶏肉のタンパク質やトリプトファン、野菜のビタミン類、ヌードルの炭水化物も、風邪の治癒に効果的
鶏肉とたっぷりの野菜をコトコト煮込み、ヌードルを入れた温かい「チキンスープ」。欧米では風邪で体調が悪い時などによく食べられる定番料理で、日本の「おじや」や「卵酒」に相当します。
多くの人がチキンスープは風邪に効くと信じていますが、その明確な理由ははっきりと分かっていませんでした。米・ボストンにあるベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センターの臨床栄養学者サンディ・アロネン氏が、その謎を説明しています。鍵は、チキンスープを構成する成分や形態の一つ一つが、風邪の治癒を促すことです。
スープで水分と塩分を補給!
風邪を引いた時は、十分な水分を補給することがもっとも大切です。アロネン氏によると、心をほっと落ち着かせる温かいスープは、体調不良時の水分補給に最適で、特に喉の痛みに効果的なのだとか。
また、スープに含まれる塩などの調味料は身体に良くないと思われがちですが、適量を摂取する限りはむしろ、鈍化した味蕾を活性化してくれる作用があるのだそう。風邪の時はよく食べ物の味がしなくなることがありますが、塩分は風味を際立たせ、食欲を促す効果があります。