■「自分の存在」を想像できるロボットが開発される
■ロボットに「自分でシミュレーションするプロセス」を学ばせることで、ロボットは自分の存在を想像できるようになった
■これがいずれ「意識」をもつロボットの開発につながる可能性がある
映画『ターミネーター』で登場するような「自らについて想像できるロボット」が開発されました。こうしたSF作品で描かれるロボットは自律しており、自分の力で一から何かを学ぶことができます。
「自分の存在」を知っているロボット
今回開発されたロボットは、「ディープラーニング」を通して先立って学習することなしに、自ら学ぶことができるもの。最初の24時間は、意味不明の言葉を喋る赤ちゃんのようにしかふるまうことができなかったそのロボットですが、35時間のトレーニングによって「100%」の正確さで目標物をつかんで特定の場所に降ろすことが可能になりました。そして、ロボットの「想像力」ともいえる内部モデルに完璧に頼った場合においても、同じタスクを「44%」の確率で成功させています。
見た目はどこにでもありそうなロボットですが、これが他のロボットと一線を画するのは、それが「自分の存在」について知っているといった理由からです。研究者たちは、「自己シミュレーション」のプロセスを用いることで、ロボットに対して「自己を想像できる能力」を与えたのです。
研究をおこなったコロンビア大学のホッド・リプソン教授は、「ロボットが自律するためには、ロボット自らがシミュレーションすることを学ぶことが必要不可欠です。このロボットの想像力は人間に比べるとまだまだですが、この能力が『意識』をもつマシン開発につながっていると信じています」と語っています。