・コロンビア国立大学の調査で、ハチドリにトゲのようなものが生えていると判明
・くちばしに歯のようなトゲとフックのように曲がった先端が確認できる
・見つけた花で蜜を奪い合う中で、くちばしが攻撃用に進化した
花の蜜を吸って生きるハチドリ。そんな平和そうなハチドリに、どうやら意外な変化が起きていたようです。
コロンビア国立大学の研究チームが調査をした結果、ハチドリのくちばしが武器のように進化していることが分かりました。
研究チームはまず、撮影用に人工的なエサ場をつくり、ハイスピードカメラを使ってハチドリを調査・観察しました。すると、オスのくちばしがまるで武器のように進化していることが分かったのです。下の画像からも、先端にフックのような曲がりができ、茨のトゲのようなものが生えていることが分かります。花の蜜を吸う鳥が、どうしてこうなった…?
ハチドリの本質
ハチドリは中南米地域に生息する鳥類で、体重は2g〜20gと鳥類の中では最小クラスです。毎秒数十回もの羽ばたきで空中で静止する「ホバリング」と、長いくちばしを花の中に差し込んで蜜を吸うのが大きな特徴です。
またハチドリの中には、非常に長い花冠を持つ花と1対1の共生関係をつくることによって、競争を防ぎつつ、効率よく受粉できるといった共生関係にある種類もいます。これは互いに依存しつつ進化する「共進化」の典型例でしょう。
花の蜜を吸うハチドリはしかし、同時に非常に獰猛な鳥でもあります。花の蜜を巡って争う姿は、まさに空のコンバット。くちばしの凶器攻撃もアリの、総合格闘技という言葉がとても似合います。
こうして蜜をめぐる熾烈なバトルを日々繰り返すようなハチドリたちは、いつしかより攻撃的に進化し、その結果、くちばしにトゲを持つようになったのです。
もちろん、トゲトゲのくちばしからは、舌を出して蜜を吸うには非効率ですが、ハチドリたちはおかまいなしのようです。
なぜなら「まずは相手を制圧する必要がある」と言わんばかりに、進化したくちばしを器用に使い、蜜を狙うライバルを刺したり挟んだりしているからです。蜜を吸うハチドリにとっては、ライバルの排除の方がより重要ということなのでしょうね。
しかしハチドリの獰猛さに目を付けたのは、コロンビア国立大学だけではありませんでした。
アステカ文明では、ハチドリは軍神と扱われていました。つまり私たちと違い、アステカ人たちはハチドリに騙されることなく本質を見抜いていた可能性が高かったということです。
アステカの戦士はハチドリをかたどった兜を被り、戦のときはハチドリの羽に身を包んでいたようです。昔から争いを繰り返していたハチドリに見る、戦いによる進化の可能性。争いの絶えない人類もいつしか進化を遂げるかもしれないと思うと少し胸がアツいかも…
ハチドリが花の蜜を求めて飛び回る
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見つけた花で蜜を奪い合う
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身体がさらなる闘争を求める
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くちばしが攻撃的に進化する
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戦いこそが生物の可能性なのかもれない
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アーマー○コアの新作が出る
ってこれ、完璧な流れじゃないですか。