■サイクリスト(公道上の自転車乗り)を人間として見ていない人が多いと判明
■非自転車乗りの55%と自転車乗りの30%の認識が「自転車乗りは完全にヒトとは言えない」だった
■サイクリストという言葉をやめてもっと人間がバイクに乗っていることを強調することを提案
海外サイクリストの偏見がひどい。
サイクリングは良いものですが、サイクリストに対する印象は否定的なもののようです。自動車ドライバーの意図的かつ攻撃的な行動とサイクリストの関係が研究によって明らかになりました。
オーストラリアのクイーンズランド工科大学とメルボルン大学の研究チームによるこの研究は学術誌Traffic Psychology and Behaviorに掲載されています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1369847818308593?via%3Dihub
鬼畜の所業
研究チームは442名の協力者にゴキブリからヒトまでの進化の過程の図(!?)を見せ、サイクリストを見た時それをどれくらい”ヒト”と感じているか調査しました。…なぜ調査した。
その結果「ちょっとヒトじゃない」や「完全なヒトではない」という見方をしている人が、非サイクリストの人間のうち55%、同じサイクリストでも30%もいるということが分かりました。
さらにサイクリストへの攻撃的な仕打ちも珍しくないようです。サイクリストの17%が幅寄せ等の行為をされたことがあると回答し、11%が実際にそのような行為を行ったことを認めました。
研究を主導したアレクサ・デルボスク教授は、「人は他人がヒトでないと判断しはじめると他人を嫌悪したり攻撃的になること正当化しはじめる」「そのような行為は憎しみの連鎖を生み出してしまう」とコメントしています。
教授は他にもサイクリストが非人間的な扱いを受けると、それに抵抗して反発することで状況が更に悪化することになると述べています。
この問題の解決法の提示として、研究チームからは”サイクリスト”という単語を使うのをやめて、「バイクに乗っている人」という「より人であることを強調した表現」を使うべきだという主張が出ています。
日本でもサイクリストのマナーは度々話題に上がりますが、海外のほうが事態は深刻のようです。論文内のDehumanization(非人化)という造語のパワーワードに、修羅の世界みを感じる案件でした。