
■1950年にデンマークで発見された「トーロンマン」という遺体は、驚くべき保存状態だった
■しかし実は、年代調査によると約2300年近くも前に生きていた人物であることが判明
■遺体は、当時神聖な場所であると考えられていた沼地で、神への生贄に付されたと考えられている
眠っているような遺体が、実は2300年も前に亡くなっていたなんて…。
体というのは、当然ながら死んでしまうと腐ってしまうもの。しかし、湿潤な状態に置かれていると、稀に脂肪分がロウソクの蝋のように変質して、長期間良好な状態が保たれることがあるんです。
実はこうした遺体は「湿地遺体」という名前で知られていて、気温の低い北欧の沼地を中心にいくつも見つかっています。なんでも、これまでに1850体以上も発見されているんだとか。
その中でも、屈指の良好な保存状態を持つのが「トーロンマン」です。彼はなぜこれほどまでに、綺麗な姿を保つことができたのでしょうか?
殺人事件か?沼から出てきた「トーロンマン」
1950年5月6日のことでした。舞台はデンマークの都市シルケボーから約12km西に向かったところにある、ビェルスコウ渓谷の沼地(ピート・ボグ)です。
そこへ、トーロンという小さな村からストーブ用に泥炭(ピート)を切り出すため、2人の兄弟がやってきました。その作業中に、一緒に来ていた奥さんの1人が、沼地に遺体が埋まっていることに気づいたのです。
それがあまりに新しく見えたため、起きたばかりの殺人事件だと思いこんで警察まで呼んだそうです。

しかしその後の年代調査により、「トーロンマン」の死亡時期は今から2300年近くも前に遡ることが判明。だいぶ年老いては見えるのですが、親知らずの成長が見られたことから25歳からそれ以上であると特定されています。
実は若いんですね。それからここまで遺体の保存状態が良いのには、どうやら沼地に秘密があるようなんです。



























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