■「ダブステップ」と呼ばれる音楽のジャンルに、蚊の攻撃を防ぐ効果があることが立証された
■音楽を聴いた蚊の攻撃頻度は減り、さらには交尾の回数まで減少した
■これにより蚊を媒介とする病気の対策に革命が起こる可能性もある
想像してみてください…
太陽を肌に感じ、そよ風が髪をゆらし至福のひとときを過ごしている時。あなたはふと違和感を感じ腕を見ると、真っ赤に晴れた蚊に刺された痕が…!
そんな状況だけは絶対に避けたい――
そう思う人がほとんどなはずです。しかし安心してください、ここに研究に基づくいい方法があります。それは薬でもスプレーでもなく、「音楽」の力を借りることであり、具体的には「ダブステップ」と呼ばれるジャンル、さらにいえばアメリカ合衆国のエレクトロミュージシャン「Skrillex(スクリレックス)」のナンバーをリゾートで流しておけば、これ以上あなたがかゆみに苦しめられることはありません。
The electronic song “Scary Monsters and Nice Sprites” reduces host attack and mating success in the dengue vector Aedes aegypti
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0001706X19301202
研究で用いられたのは、一般的にヤブカとも呼ばれる「ネッタイシマカ」といった蚊の一種であり、 この種に対してエレクトロニック・ミュージックが防虫剤として作用するのかが試されました。
蚊がビートにノリノリ?
使用されたのはSkrillexの「Scary Monsters And Nice Sprites」といった曲であり、Skrillexは同じ名前のアルバムでグラミー賞を受賞しています。しかし、この曲が選ばれたのは単に有名だからではなく、曲が高い周波数と低い周波数がミックスされたものであるからです。
実験の結果、私たちにとってもSkrillexにとっても良いニュースが…。
メスの蚊は曲を「楽しんで」いたようで、ダブステップの曲が流れていない場合と比べて、蚊が人間を襲う傾向が少なくなったことが分かったのです。さらに、この曲にさらされた蚊は、ふだんと比べてはるかに交尾の回数が減っていたことも判明しました。
「音楽」が蚊の攻撃を減らし、血を吸う量を減少させ、性行為さえも遮ってしまうものであることが分かった今回の研究。これにより、蚊を媒介とする病気などの対策に革命が起こるかもしれません。
にわかにこの研究が信じられないという人は、暖かくなってきたこの季節、ぜひバーベキューの際にでもSkrillexの「Scary Monsters And Nice Sprites」をスピーカーで流して、その効果を検証してみてはいかがでしょうか。