
■寿命を終えた恒星は、約100倍に膨張し、周りの惑星を巻き込みながら崩壊していく
■天文物理学者たちが、白色矮星を周回し続ける微惑星を発見
■今回発見された微惑星は、なんと重力の大きい白色矮星すぐ近くを周回している
この惑星の逞しさよ…。
イギリス・ウォリック大学のクリストファー・マンサー氏率いる天文物理学者たちは、死滅した恒星を周回する微惑星を発見しました。その微惑星は、自身の太陽の死を乗り越え、寿命を終えた太陽「白色矮星」を周回し続けているようです。
研究の詳細は、4月5日の「Science」に掲載されています。
http://science.sciencemag.org/content/364/6435/66
寿命を終えた恒星は白く輝く白色矮星に

恒星が寿命を終えて死滅すると周りの惑星も巻き込むため、これまでは「恒星を周回する惑星は粉々に滅びてしまう」と考えられていました。しかし今回の発見により、私たちの太陽系への考え方が変わるかもしれません。
太陽のような恒星には寿命があります。中心にある水素燃料を使い果たした恒星は、約100倍もの大きさに膨らみ、周りの惑星を巻き込みます。その後、膨張した恒星の物質やエネルギーがなくなるまで原子融合し続け、最後に崩壊してしまうのです。
崩壊した恒星は、白く輝く白色矮星になります。そして白色矮星の強い重力のため、近づいた惑星は次々と飲み込まれていきます。周りの星々を飲み込み続ける白色矮星は、まるで「孤独な屍」…今まではそう思われていました。