気がつくと「ぼんやり」している――それはスマホのせい?
私たちの意識は、常に今目の前のことに集中できているわけではありません。
授業中や仕事中、運転中でさえ、ふと「今日の夕飯何にしよう」とか「昨日のあの投稿、誰か見てたかな」などと、今とはまったく関係のない考えが浮かぶことがあります。
これが「心のふらつき(=マインドワンダリング)」です。
マインドワンダリングには2種類あります。
1つは「意図的な心の迷い」で、自分の意思で空想や計画を始めるタイプ。
そしてもう1つが「自発的な心の迷い」で、自分が気づかないうちに思考がどこかへさまよってしまうタイプです。
問題となるのは後者のほうで、自分の集中力を無意識のうちに奪ってしまう可能性があります。

2024年から2025年にかけてアメリカで行われた研究では、188名の大学生を対象に、スマートフォンの利用状況と心の迷いの頻度を調べました。
注目すべきは、参加者が提出したiPhoneのスクリーンタイム情報です。
これにより、自己申告ではなく実際の利用時間に基づいた分析が行われました。
結果、もっとも使用時間が長かったのは「ソーシャル」カテゴリ、つまりSNSやチャットアプリでした。
平均して週17時間以上、1日2時間半以上をSNSに費やしている計算になります。
しかもこのようなSNSの長時間使用者ほど、「自発的な心の迷い」が多いという傾向が明確に現れたのです。