Point
■週に2時間、自然の中で過ごすと、健康度・幸福度が増すことが判明
■週に3時間以上になるとその効果は薄れ、中には逆に健康度・幸福度が下がるケースもあった
■時間の取り方、病気、障害、年齢、性別、経済状況、都会・田舎暮らしの度合いは、効果に影響しない
「もっと自然に触れよう」とはよく聞くけれど、一体どれくらい触れたらいいの?
そんな疑問をスパッと解消してくれる研究結果が発表された。その答えはズバリ、「週に2時間」だ。
自然と触れ合う「適正量」を導き出したのは、英国の研究チーム。2014年から2016年にかけて、2万名近くの英国人を対象に行った調査の結果が、雑誌「Scientific Report」に掲載されている。
https://www.nature.com/articles/s41598-019-44097-3
まとめて時間を確保しなくても大丈夫 トータルの時間が大事
研究チームは被験者に現在の健康状態や生活への満足度を尋ね、その後過去7日間でどれくらい森林・浜辺・公園などを含む自然と触れ合う機会があったかを聞き出した。
集めた回答を総合した結果、自然と触れ合う時間が週に2時間に満たない人の健康状態や幸福度は、全く触れない人の健康状態や幸福度と類似していることが明らかになった。
これに対し、週に2時間以上を自然の中で過ごす人は、一様に健康度・幸福度の値が高かった。しかし、時間が長ければ良いというものでもないらしく、週に3時間以上になるとその効果は薄れ、中には逆に健康度・幸福度が下がるケースも見られた。
また、自然に触れる時間をどう確保するかは、結果に影響しないことも分かった。たとえば、一週間に数回森林の中へ短い散歩に出かけて計2時間を達成することと、公園で2時間のピクニックの時間をまとめて取ることの間には、効果の違いが見られなかった。
「まとまった時間が取れない…」なんていう心配は無用ということだ。
さらにこの効果は、被験者の病気、障害、年齢、性別、経済状況、都会・田舎暮らしの度合いとは無関係だった。