
■加重布団とは、通常の布団よりも重量を増した布団
■圧力刺激によってセロトニンが分泌され、ストレスや不安が減少する
■自閉症や行動・神経障害を患った人にも高いリラックス効果を発揮
「この世でもっとも安全で、気持ちの良い場所」の代表と言えば?
そう、現実世界の悩みから切り離されたふかふかの布団の中です。
でも中には、普通の布団では満足しない人たちもいます。彼らは、より「重み」のある加重布団を求めているそうです。その背景には、重みがもたらす効果によって神経の不調を改善しようという意図があるんだとか。
「加重布団?何それ?」と疑問に思ったあなたも、この記事を読んだら試したくなってしまうかもしれません。
加重布団とは?
加重布団とは、その名のとおり通常の布団よりも意図的に重量を増した布団のことです。区切られたポケットのそれぞれに羽毛が詰められた通常の羽毛布団と同じように、加重布団のポケットも一定の重量を保っており、布団全体の重さが均一に分散される仕組みになっています。
そんな加重布団の重要な役割の1つは、誰かに抱きしめられて身体に圧力が掛かった時と同様な効果をもたらすこと。

大切な人にハグしてもらった時の気持ち良さは、「自分を想ってくれる誰かが側にいてくれている」という感情をたとえ抜きにしたとしても、それだけで格別のものです。
身体に掛かる深く包み込むような圧力は人の心に直接作用し、ストレスや不安を和らげるだけでなく、時には睡眠障害の改善にも役立つことさえあります。
そして一言で加重布団といっても、その重さはさまざま。1キロそこそこの軽めのタイプもあれば、11キロを超えるほどの超重量タイプも存在します。年齢や体重に応じて、最適な重さの布団を選ぶためのガイドラインも参考になりますが、一番重要なのは、身体に掛けた時に気持ち良いと感じるかどうかです。
素材や重さ、メーカーによってはかなり値が張る場合もあるようですが、それでも一度その良さを体験したら手放せなくなるんだとか。
加重布団の潜在的メリット
加重布団を使う理由は色々あるが、中でも加重布団がセロトニンの分泌を促すことが有力な理由の1つです。セロトニンは、ストレスや不安を取り除き、血圧や脈拍の安定を助け、深い眠りを長続きさせる効果を持つホルモンです。
加重布団によって身体に圧力刺激が加わると、身動きが若干取りにくくなります。これこそが、幼い頃両親が寝かしつけてくれる際にトントンと布団を叩いてくれた時と同じ、和らぎや安心感をもたらしてくれます。

身体がリラックスし、筋肉が弛緩することで、睡眠への態勢が整う―。これこそが、不眠に悩む人々が加重布団を支持する理由でしょう。
その他にも、多動性障害や自閉症、あるいはむずむず脚症候群といった行動障害・神経障害を持つ大人や子どもにとっても、加重布団は高いリラックス効果を発揮します。
加重布団の生地にはよく、ボタンや継ぎ目、織り目などの触覚に訴える要素が組み込まれていて、これらに触れることで気持ちが落ち着くのだとか。
さらには、寝返りを打つ際に布団の重みがマッサージのような役割も果たします。身体を優しく撫でられるような感覚は、人の心をほっとさせる効果があるんです。
過重布団の効果を裏付けるサイエンス
圧力刺激の効果については、数々の科学調査が行われています。
生態学的に、身体がストレスを感じる時は交感神経系が活発に働きます。交感神経系は、ストレスホルモンやアドレナリンを分泌することで身体の代謝を抑制し、身体に準備態勢を取らせます。戦うか逃げるか反応も、交感神経系の働きがもたらす準備態勢の1つです。
交感神経系が長時間働きつづけた場合、疲弊や副腎疲労、慢性炎症が生じます。交感神経系の均衡を保っているのは、落ち着きや回復を制御する副交感神経系の働きです。この副交感神経系は、身体が回復する休息時に活発に働きます。

実は副交換神経系は、圧力刺激によって活性化することが科学的に証明されています。また、副交感神経系が他の神経衝撃やホルモン変動を制御する働きは、セロトニンの分泌によってさらに助けられるのです。
加重布団の使用がもたらす血圧や心拍数の減少は、ストレスや不安の減少に関連していることが科学的に証明されています。また、睡眠に障害を抱える人が、加重布団を使用することでより深く長い睡眠を手に入れられることも、別の調査で示されています。
さらには、加重布団は環境の刺激を適切に管理することが苦手な自閉症の人のセルフケアにも役立つようです。その感触と圧力によって、注意散漫が減り、落ち着きを取り戻すことができるのだとか。
「本当に効果があるのかな?」とまだ疑いを払拭できないあなたも、一度試してみてはどうでしょうか? 加重布団は、神経症、ストレス、不安といった悩みから開放してくれる救世主になるかもしれませんよ。


















