Point
■東南アジアに生息する「アオスソビキアゲハ」はなんとも幻想的な姿で舞う魅了的な蝶だ
■この蝶は、胴に対してとても翅が小さく、特徴的な長い尾を持っている
■彼らはこの小さい翅を細かく羽ばたき、長い尾を羽衣の様に翻して妖精のように舞う
この不思議な蝶は、日本では「アオスソビキアゲハ」の名で呼ばれている。まるでモンハンの環境生物のようだ。
翼を広げたときの幅は40〜55mmほどで、モンシロチョウと同じくらいのサイズ。そして何より大きな特徴が、それぞれの翼の端に持つ25〜40mmの長い尾である。
基本的な配色は白と黒の2色だが、アゲハチョウの仲間としては非常に珍しく翅の上端が半透明になっている。
なお、英語での呼び名はグリーンドラゴンテールだ。トンボといい、向こうは昆虫をドラゴンと呼ぶのがお気に入りのようだ。
動画は日本の自然写真家、海野和男氏によりタイの北東部で撮影されたアオスソビキアゲハの姿だ。
これは秒間180コマで撮影されたスローモーション映像で、蝶の繊細な羽ばたきの様子をはっきりと見ることができる。
これらの映像は、海野和男氏のホームページに掲載されていて、海外ニュースサイトなどでも取り上げられている。
https://www.goo.ne.jp/green/life/unno/movie/movie.html?movieid=1541834488
この蝶は、翅のサイズが胴よりも遥かに小さいため、トンボのように素早く翅を振動させることで飛行する。長い尾は風に乗ってなびき、舵の役割を担っている。
雄のアオスソビキアゲハは、大量に水を吸い上げて溶けたミネラル分を濾過して、肛門から水だけを吹き出す。
地面に落ちたっても、長い尾は地面につくことがない。
なんとも不思議で美しい蝶。なんだか見ていて癒やされる。
たまには、こんなものをぼーっと眺めて過ごすのも良いかもしれない。