Point
■まばたきなどの微細な目の動きだけで制御可能な機械式コンタクトレンズが発明された
■これは「眼電信号」、つまり眼球が持つ自然の電子信号を真似ることで作動する
■目を囲む5つの電極が筋肉のような役割を果たすことで、コンタクトレンズを制御する
これを付ければ超人類になれるかも。
微細な目の動きだけで制御可能な機械式コンタクトレンズが発明されました。たとえば、まばたきを2回するだけで、映像を拡大・縮小できるそうです。
研究を行ったのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チーム。論文は、雑誌「Advanced Functional Materials」に掲載されています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/adfm.201903762

ソフトロボットの多くは、手動での制御や事前のプログラミングによって作動します。これに対しこのレンズは、「眼球が持つ自然の電子信号を真似る」ことによって動きます。
この電子信号とは「眼電信号」という眼球の電位のことで、研究チームはこの眼電信号を計測し、その活動に反応するコンタクトレンズを作成したのです。
レンズは電流が加えられると拡大するポリマーで出来ており、5つの電極が筋肉のような役割を果たすことで制御しています。
つまりポリマーが凸状に近づくほど、映像が拡大するという仕組みです。
研究チームを率いたShengqiang Cai氏によると、目を閉じて何も見ていない時でも、多くの人は眼球を動かして、この眼電信号を生み出すことができるとのこと。
眼球が自然に持つ電化の仕組みを、コンタクトレンズの制御に利用したこの発明。義眼や調節可能焦点眼鏡だけでなく、遠隔操作ロボットへの活用が期待されています。