Point
■韓国のNCSOFT社によって、顔写真を二次元アニメ風に自動変換することのできるAIが開発される
■画像翻訳技術には、顔の中の注目すべき特徴を抽出し、不要な部分は無視するための「CAM技術」が使用されている
■今回は開発されたAIはアニメ像への変換だけでなく、ごく普通の風景写真を絵画の巨匠風にアレンジすることも可能
最近、顔をルネッサンス絵画風に変換してくれるAIアプリが話題となりましたが、今度はアニメです。
韓国のオンラインゲーム会社「NCSOFT」が、人の顔写真を二次元アニメキャラクターに変換してくれるAIを開発しました。
AIには「敵対的生成ネットワーク(GANs)」というディープ・ラーニングが用いられ、膨大な数の顔写真とアニメキャラの顔をAIに学習させることで、全く新しい画像サンプルを作り出すことができます。
この技術によって本人の顔の特徴を捉えたアニメキャラ像を生成することに成功したとのことです。
研究の詳細は、GitHubオンライン上で公開されています。
https://github.com/taki0112/UGATIT/blob/master/README.md
開発チームのキム・ミンジェ氏は「実際の顔をアニメに翻訳する精度を高めるために『Class Activation Mapping(CAM)』という技術を応用した」と言います。
CAMは画像の中の注目ポイントを可視化する技術のことで、重要な要素と不要な要素を分類するために画像を複数のレイヤー(層)に分割します。下の画像を見れば分かるように、CAMによってサーモメーターのように目や体模様など注目すべき点が浮かび上がります。
例えば、CAMで訓練されたニューラルネットワークが猫と犬の画像を識別する場合、両者の体毛はあまりに酷似していることを理解して分類には使用せず、その代わりに目や耳などを材料として代替えすることができるのです。
このCAM技術をAIモデルに組み込むことで、本人をモデルにした正確なアニメ像への翻訳が可能となりました。
またこのAIは顔を二次元風に変換するだけではなく、馬をシマウマに変えたり、猫を犬に変えたり、ごく普通の写真をゴッホ風のタッチに変えることもできるそうです。
これを見るにAIの学習能力はかなり高い水準に達していることが分かります。次は何風変換が登場するのでしょうか。