Point
■今年2月〜4月にかけて募集されていた、木星の5つの衛星の名前が正式に決定する
■木星には衛星が79個存在し、まだ名前が決まっていない衛星もたくさんある
■名前には厳密なルールが設けられており、中には衛星の自転の向きで末尾の言葉が決まるというものもある
木星の衛星といえば「ガニメデ」「エウロパ」「イオ」「カリスト」の4つが有名ですね。
しかし実は、木星は79個もの衛星を持っており、中にはまだ名前が決まっていない衛星もたくさんあります。
アメリカ・カーネギー研究所は、今年の2月21日〜4月15日にわたり、新たに見つかった木星の衛星5つの名前をTwitterを通して募集しました。
そして今月23日、数多くの応募の中から厳正な審査をクリアして選定された5つの名前が、国際天文学連合(IAU)により正式に決定されたそうです。
ネーミングには厳正なルールがある
名前の募集が行われたのは、カーネギー研究所の天文学者スコット・シェファード氏によって、昨年の8月に発見されていた12個の内の5つの衛星です。名前の選考には発見者のシェファード氏も参加しています。
また誰でも応募できるからといって、好き勝手な名前を付けていいというわけではありません。自分の愛する恋人やペットの名前を送っても、当然はねつけられます。
天体の命名には、細かいルールが設けられているのです。
例えば、世界中のどの言語においても、侮辱的な意味合いの名前になってはいけませんし、存命する人を記念するようなものも禁止されています。それから現存する月や小惑星に似ている名前もアウト。
政治的・軍事的・宗教的に著名な個人名や場所、出来事・事件の名称も禁じられています。
木星では、ギリシア神話のゼウス、あるいはローマ神話のユピテルにちなんだ名前であることが定められています。というのも、木星は太陽系の惑星で最大のサイズを誇っていることから、ギリシア神話の全知全能の神「ゼウス」を象徴しているからです。
またローマ神話でゼウスに当たるのが「ユピテル(Jupiter)」となっています。
さらに、衛星の自転方向もルールに関わっており、「順行(木星の自転と同じ向き)」なら末尾が「a」で終わること、反対に「逆行」なら末尾は「e」で終わる必要があります。
となるとかなり絞られてきますね。