過酷な環境と穏和な環境の両方に適応する弾力性と柔軟性
発見された8種は、草食虫から寄生虫、肉食虫に至るまで多岐にわたりますが、そのすべてが高いヒ素濃度でも生きられる極限環境動物でした。
これらのAuanema種と、同じ種類に属する親戚とを比較した結果、後者はヒ素濃度が高い環境に生息してないにも関わらず、高いヒ素耐性を示していることが判明。
また、Auanema種も、極限環境ではない条件下のラボ内でも生存可能なことが分かりました。これは、極限環境動物のほとんどがラボ環境で生存できないことを考えれば、珍しいことです。この「なんでもござれ」精神の背景には、過酷な環境と穏和な環境のどちらにも同等に適応する弾力性と柔軟性を持つための遺伝的素因が隠れているのかもしれません。
研究チームは今後、線虫の優れた生存戦略を可能にする特定の生化学的・遺伝的因子が存在するかどうかを突き止め、Auanema種のゲノム配列を解明したいと考えています。