普通はあるものがデニソワ洞窟にはなかった
もう1つ不思議な発見として、デニソワ洞窟には、初期人類が火を使ったことを示す証拠物がほぼ見られなかったということが挙げられます。洞窟には、人類が火起こしをした際に生じる燃焼物が残っていることが一般的です。
研究チームも、数十万年にわたって洞窟に住み続けたにも関わらず、火起こしの痕跡が少ないというのはかなり珍しいといいます。
1つの可能性としては、火の痕跡が水の浸透により洗い流されたか、あるいは大気や土壌内の酸性度の増加によって風化したことが考えられるとのこと。
現代人としては「猛獣使いの人間たちが寒さをしのぐ方法として、オオカミやクマの懐でぬくぬくと温まっていたのかも」と思いたいところですが、その明確な証拠は今のところ無さそうです。