虫の着地能力を狂わせる「シマウマ柄」
そこで研究チームはこの問題を解決する方法として、「シマウマの体模様」を援用する方法を思いつきました。
というのも、これまでの研究により、シマウマ柄は目標着地機能をコントロールする虫の「動体探知システム」を狂わせる効果があることが分かっているのです。
つまり、これを応用することで「アブが牛の体にうまく止まることができなくなる」ことが予想されます。
実験では、6体の黒牛に協力してもらい、3日間ずつ3パターンの模様で効果を試しました。

1つ目が「シマウマ柄」、2つ目が「黒地の牛に黒のストライプ柄」、3つ目が「何もしない」という3パターンです。ちなみに、ペインティングには牛1頭につき5分ほどしかかからないそう。
パターン2は、虫を追い払う効果がペイント塗料に含まれる化学成分にあるのではなく、アブの目に映る模様にあることを確かめるために準備されています。
ペイント完了後、それぞれ3日間にわたり、「牛の体表に付着する虫の数」および「虫を撃退する牛の行動数」を高解像度カメラを用いて観測しました。