プルピの巨大晶洞はどうやって形成されたのか?
García Ruiz氏率いる研究チームは、晶洞の地質学的な歴史を再構築するために、鉱物や環境からのサンプルを分析し、晶洞を取り囲む鉱山の地質構造を詳細にマッピングしました。
こうした調査の結果、晶洞内の結晶(亜セレン酸塩)は、硬石膏(無水形態の硫酸カルシウム)の溶解によって供給される塩によって連続的に成長していったと考えられるのです。また結晶は25℃未満の温度で沈殿したことがデータから示されると言います。
20℃程度起こるこのような過程は、オスヴァルド熟成と呼ばれています。
オスヴァルド熟成は液状ゾル粒子の中で、小さな粒子が溶解して、エネルギー的に有利なより大きな粒子に吸収されていくという熱力学的な現象です。
こうした現象の作用によって、プルピの晶洞は比較的浅い深度でも高純度の結晶を形成できたと考えられるのです。
しかし、晶洞が形成された年代については謎が残ります。この晶洞内のクリスタルは、非常に透明度の高い高純度の結晶のため、これを分析しても形成年代を特定する情報を得ることが困難なのです。
研究チームはこれについて、いくつかの推測を行っています。
まず、この晶洞が形成され始めたのは、地中海の水がこの地から干上がった560万年前より後であることは確実と考えられます。
この結晶の1つを覆っている炭酸塩クラストの年代を測定すると、それはおそらく6万年以上200万年未満となるので、この期間内で晶洞が形成された可能性は高いと言えそうです。
もちろんこれはかなり推定の幅の広い年代です。これ以上の形成年代の絞り込みは後の研究に委ねることになります。
こうした洞窟はとてつもなく長い年月を存在しているように感じてしまいますが、できたのは数十万年という地球の歴史から見ると比較的最近作られた地形になるようです。
それにしてもゲームばかりしていると、なんだか奥に危険なモンスターが眠っていそうな気がしてしまいますね。