最初の色は「60ワットの電球」?
宇宙が晴れ上がり、解放された光の温度は3000ケルビン(摂氏2726度)だったことが分かっています。実は、この温度こそ、光の色を決める答えなのです。
光には、波長分布を示す「黒体」を持っています。
黒体とは、外からやってくる電磁波のあらゆる波長を吸収する物体のことで、今後はこの黒体を加熱すると、その温度に応じて特定の電磁波を外に放ちます(黒体放射)。
黒体放射の色は、温度の上昇にしたがって「赤→オレンジ→黄色→白→青白」というように変化します。
そして、宇宙空間に解き放たれた光の温度は3000ケルビンなので、この世で最初に誕生した「色」はこうなります。
3000ケルビンの黒体は、おおよそオレンジと白の混ざったような色に相当します。身近なものでは「60ワットの豆電球」に一番近いでしょう。
ですから、宇宙最初の色を見たいときは、60ワットの電球を見ると良いでしょう。ただし、人の目は光の当たり具合や角度で色が違って見えるので、上の画像のような正確なカラー・イメージはつかめません。