べテルギウス、お前死ぬのか?
軽い星はゆっくりと核融合を起こして燃えているので、非常に長寿です。太陽の寿命は約100億年あると言われています。
しかし、ベテルギウスのような非常に重い星は凄まじい勢いで核融合を繰り返し激しく燃えているため、寿命も短いと考えられています。
ベテルギウスサイズの星の場合、その寿命はせいぜい1000万年程度だろうと考えられます。そしてベテルギウスは誕生してから約1000万年ほど経っていると推定されています。
そんなわけで、ベテルギウスはもうすぐ死ぬでしょう。ベテルギウスは非常に重いため、死ぬときは超新星爆発を起こし、さらにガンマ線バーストという現象を伴って派手にお亡くなりになると考えられています。
星は核融合のエネルギーをほぼ使い果たすと、非常に暗くなります。しかし、中心核にまだ核融合可能な元素が残っている場合は、自重による圧力の上昇でさらに重い元素の核融合が始まり、また明るく輝きだします。
晩年の星はこうした減光と増光を繰り返す変光星となりますが、それは上で説明した通り鉄が最後です。
完全に燃料を使い果たした星はどんどん暗くなり、そして潰れて超新星爆発を起こすのです。
今回の史上最高の減光を示しているという報告は、この最後の瞬間をべテルギウスが迎えたのではないか、と考えられるのです。