ペンシルバニア州ビラノバ大学の天文学チームが、12月のはじめ、ベテルギウスが観測史上もっとも暗くなっているという報告を行いました。
暗くなったらなんかあんの? と思う人もいるかもしれませんが、恒星が暗くなるのは死の前兆に見られる現象です。
そのため今回の報告は「いよいよベテルギウスが最後の瞬間を迎えようとしているのでは?」と各所で話題になっているのです。
重い星が死んだ場合、超新星爆発という大規模な爆発現象を起こします。ベテルギウスは宇宙の中ではかなり地球に近い場所に存在する星のため、もし彼が超新星爆発を起こした場合、真昼でも地球から観測できるくらいの光を放つと考えられています。
そんなビッグイベントが、もしかしたら近々観測できるかもしれないのです。
ベテルギウスってどんな星?
ベテルギウスは肉眼でも見えるほど明るい星で、もっとも見つけやすい冬の星座オリオン座の右上で赤く輝いているのがベテルギウスです。
これは冬の大三角形の1つにもなっています。冬の寒空の下で、「あれがシリウス、プロキオン、ベテルギウス」と恋人に指差して上げると、語呂は悪いですがベテルギウスと一緒に末永く爆発できるかもしれません。
ベテルギウスは太陽から642光年の距離にある恒星で、太陽の1400倍ものサイズがあり、質量は太陽の20倍と考えられています。
これは、欧州宇宙機関(ESO)がサイトで紹介しているベテルギウスと太陽系を比較した画像です。もはや太陽に比べてどれくらい大きいとか言うレベルの問題ではなく、太陽系の木星軌道まで飲み込むほどのとてつもない大きさをしています。
これほどベテルギウスが巨大なのは、この星がすでに重い恒星の晩年の姿である赤色超巨星という状態にあるためです。
太陽も死を迎える際には、地球軌道まで膨れ上がると言われています。