重力レンズ効果と暗黒物質
暗黒物質は直接見ることはできませんが、天文学者は暗黒物質が恒星や銀河に与える影響を測定することで、それが存在していることを間接的に知ることができます。
そうした観測によって、暗黒物質の存在をわかりやすく示す証拠の1つが重力レンズ効果です。
暗黒物質は重力の影響によってのみ物質と相互作用する何かであると考えられています。
一般相対性理論では、重力とは「時空のゆがみ」であると説明されていて、この影響は重力レンズ効果によってはっきりと目で見ることができます。
重力レンズは、観測対象となる天体と地球の間に、大きな重力を生み出す銀河や銀河団が存在することで空間がゆがみ、虫眼鏡を通して見たように光が曲がって見える現象です。
天体の生み出す重力の影響は、その天体の明るさから推定することができますが、発見されている重力レンズの中には、この推定値と実際確認できる重力レンズ効果が一致していないものがあるのです。
これが、暗黒物質の存在を示す有力な証拠になると考えられているのです。