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「歩くサメ」は進化系統のトップに位置する「最新型」であることが判明

2020.01.22 Wednesday

Credit: youtube
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  • 陸上を歩くことのできるサメは、4億年以上の歴史を誇るサメの進化系統の中で、最も新しい種であることが判明
  • 4つの特殊なヒレを使って陸地を移動し、呼吸数や心拍数を低下させることで、1時間も陸上にいることができる

およそ4億5000万年も続くサメの歴史には、「歩く」ように進化した種が存在します。

このサメは、テンジクザメ科(Hemiscyllium)に属しており、浅瀬や海底、岩肌を歩くことのできる唯一のサメです。同じように陸上で生活する「魚」としてハゼやムツゴロウがいますが、彼らには後ろ足はありません。

カリフォルニア科学アカデミーの研究によると、この歩くサメは、地球上で最も新しいサメの進化系統であることが判明しました。

研究の詳細は、1月21日付けで「Marine and Freshwater Research」に掲載されています。

Walking, swimming or hitching a ride? Phylogenetics and biogeography of the walking shark genus Hemiscyllium
http://www.publish.csiro.au/MF/MF19163

「歩くサメ」になるまでに

研究チームは、歩くサメの起源を解明するため、「分子系統分析」を行いました。

これは、生物が持つタンパク質のアミノ酸配列や遺伝子の塩基配列を解析することで、その生物が辿ってきた進化ルート(系統)を解明する方法です。

テンジクザメ科に属する9種から採取したDNAサンプルを解析した結果、歩くサメのグループは、約900万年前に存在した祖先から派生しており、サメの系統では最も新しい種類であることが判明しました。

人類に置き換えると、大昔のように感じますが、4億年以上の歴史を持つサメにとっては、比較的最近のことです。

画像
マモンツキテンジクザメ/Crdit: ja.wikipedia

歩くサメの登場は、主な生息地であるオーストラリア北岸でかつて起きた地質学的変化の時代と一致します。

オーストラリアが位置する大陸プレートが、その北側の陸地にぶつかったことで、火山噴火や津波を伴う混乱が数百万年にわたり続きました。

同地に住むサメたちは、新たに作られたサンゴ礁の浅瀬に避難することで難を逃れ、同時に浅瀬を歩く能力を手に入れたのです。

次ページ陸地への適応能力

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