見直される農地と都市
生物の生態系と人類の両方にとって、植物の受粉はとても重要なものです。
顕花植物の90%は、昆虫による受粉に依存しています。私達の食物を生産する農業においても、昆虫の受粉が活躍していて、その価値は、推定で2,350億ドル〜5,570億ドルと試算されています。
菜園や果樹園は、花粉媒介者がいなければ実がなりません。
都市より農村地域で、花粉を媒介させる昆虫の能力が低下しているという事実は、深刻な問題と言えるでしょう。
逆に、中期的には、都市が農村の受粉システムを維持させるために役立つ可能性もあるといいます。
農地がこのままさらに劣化した場合、都市は農地への受粉者供給源になりうる、というのです。
なんにせよ、研究者たちは今後の農村地域で、植物の受粉に勤勉なマルハナバチのニーズを考慮した緑地計画を建てることを推奨しています。
また都市の生息地とリンクした、商業果樹園を作ることも有効かもしれません。
なかなか意外な研究成果ですが、これはドイツの都市と農村の研究です。日本の都会と農村では、また別の結果になるかもしれません。