・ウルム大学らの研究チームは、幼少期に住んでいた場所による健康への影響を調査した
・都市部に住み、かつペットを飼っていなかった人はストレスへの免疫反応が強かった
・この結果は、子ども時代に都会よりも田舎に住んでいた方が健康に良いことを示す
これまでも、都会より田舎に住む方が免疫力がつくといわれていましたが、それを裏付ける研究が行われました。
ウルム大学とコロラド大学の共同研究チームは、子ども時代に住んでいた地域が田舎か都会かで、健康に与える影響に変化があるか調査を行いました。その結果、田舎に住んでいた人のほうがストレスへの免疫力があり、精神疾患のリスクが低いことが判明しました。
実験では、20代から40代までの健康的なドイツ人男性40人を対象にテストを実施。その被験者の半分は幼少期に動物のいる農場に住み、残りの半分はペットを飼ったことがない都会に住んでいた人たちです。
テスト内容は、無表情の聴衆の前でスピーチを行った後に、時間を計測されながら数学の問題を解かせるというもの。被験者たちはこのテストを行う前後で、血液と唾液検査を行い、ストレスへの影響を調査しました。
その結果、都会に住んでいたグループはリンパ球を含む末梢血単核細胞と呼ばれる免疫成分の反応が高く、炎症性のあるインターロイキン6の長期的な上昇が見られました。これらの反応は、うつや心的外傷後ストレス障害を発症するリスクを高めると言われています。
しかし興味深いことに、都会のグループは田舎のグループよりもテスト後のストレスを感じないと回答していました。この数値の上昇は、人間には自覚できないもののようです。
研究チームは今後、より多くの被験者で試したり、女性や別の地域でも同じような結果になるのか調査したいと述べています。また、動物がいる環境と自然の多い田舎の環境のそれぞれが、どれほど健康への影響があるか解明したいとも語っています。
都会の人はドキっとするニュースですが、都会でもペットを買うと免疫力が上がるようです。飼育環境の整っている方は、子どものために飼ってみるのも良いかもしれません。
via : University of Colorado / translated & text by ヨッシー
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