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自然界の植物は様々な色をみせてくれますが、一度にたくさんの色で同じ場所(花、茎、葉など)を染める植物は多くありません。
しかし、東南アジアを原産地とするレインボー・ユーカリは、樹皮が剥がれると幹が七色に覆われることが知られています。
いったいどんな原理で、レインボー・ユーカリは虹色に染まるのでしょうか?
色づく原理は紅葉と同じだった
レインボー・ユーカリが色づく原因は、紅葉と同じ仕組みです。
多くの植物の体にはもともとクロロフィルという緑の色素と、カロテノイドという黄色の色素が含まれています。
普段はクロロフィルの緑が圧倒的に多いですが、落葉樹などでは葉への養分が途絶えるとクロロフィルが先に分解され、カロテノイドが残るためにイチョウなどの葉は黄色くなります。
またモミジなどの葉は赤くなりますが、これは葉の糖分がアントシアニンという赤色の色素に変化するためだとされます。
最後に紫ですが、これはクロロフィルの緑とアントシアニンの赤が合わさった結果になります。
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レインボー・ユーカリは葉だけでなく幹でも光合成を行うために、葉でみられる色素成分が樹皮にも含まれています。よって樹皮が剥がれると栄養の供給が途絶え、色素の分解が始まります。
剥けたばかりの樹皮は緑色をしていますが、時間経過と各色素の優劣により「緑」「紫」「赤」「茶色」の順に変化していきます。
ただ、色の変化を楽しむには、ある程度の太さ(直径80cm)が必要。画像のように綺麗な虹色に見えるのは、人の管理によって樹皮の剥け方を管理されているからなのです。
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レインボー・ユーカリの苗は日本でも手に入れられますが、成長すると70mを超える巨木になるので、注意が必要でしょう。