疑似人体の構成
これまでにもオルガノイドを用いて薬(新薬や毒)の反応を確かめる実験は行われていましたが、本来臓器は各部署が連携して働くために、単一のオルガノイドの研究では得られる知識に限界がありました。
今回の研究に用いられた複数のオルガノイドは、図のように人工的な血管で結び付けられており、臓器の維持に必要な酸素はシステム内の肺組織によって供給が可能です。
また追加の実験では心臓や血管も組み込まれ、薬や毒に対する、より有機的な実験結果を得ることが可能となりました。
各種のオルガノイドの寿命は最低でも28日以上とされており、長期的な実験も可能です。
今回の研究では、研究者たちはオルガノイドを薄くスライスしてチップの上に張り付けることで、人体の百万分の一レベルのコンパクトな疑似人体を作ることにも成功しました。
各種オルガネラをチップ化することで取り扱いが容易になり、様々な実験を容易に行うことができると考えられます。