- 約9900万年前の琥珀中に、史上最小の新種恐竜が発見される
- 鳥類の系統に属しており、全長は4センチ程度、体重はわずか2グラム
- 100本の歯を持つ攻撃的な一面がある一方、視力は悪かったと思われる
2016年にミャンマーの鉱山地帯で発見された小石ほどの琥珀。その中に保存されていた恐竜が、中国科学アカデミーの研究により、新種特定されました。
生息年代はおよそ9900万年前で、恐竜全盛の中生代(約2億5217万年前〜6600万年前)中後期に当たります。
また、保存されていたのは頭部のみでしたが、そのサイズから史上最小の恐竜である可能性が高いようです。
研究の詳細は、3月11日付けで「Nature」に掲載されています。
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00576-6
全長は4センチ程度⁈
発見された新種は、「Oculudentavis khaungraae」と命名されています。
ラテン語で「oculus」は目、「dentes」は歯、「aves」は鳥を意味するように、この恐竜が属しているのは鳥類の系統です。
原始鳥の一種と見られ、琥珀中に保存された頭蓋骨はわずか7.1ミリ、くちばしを入れても1センチほどしかありません。
全長は、現生する世界最小の鳥「マメハチドリ」と同程度の4〜6センチ、体重にいたっては約2グラム。これは1円玉2枚の重さに相当します。
これまでに見つかっている恐竜の中では、間違いなく最小にして最軽量でしょう。
しかし体は小さいものの、性格はむしろ攻撃的だったと考えられています。
くちばし内部には鋭い歯が100本ほど生えており、くちばしの最奥までびっちり生えそろっていました。
研究員のJingmai O’Connor氏によると「同時代に存在したどの鳥類よりも多く、また、奥にも歯があることから、口を大きく開けて狩をしていたと考えられる」とのことです。
それでも、口があまりに小さいので、食べられたのは昆虫類だけだったでしょう。