「連星天文学」では「太陽の3.45倍」
もう1つの計算方法として挙げられるのは「連星天文学」と呼ばれるものです。
そもそも、ポラリスは「連星」です。
連星とは、複数の恒星がセットになっており、両者の重心の周りを軌道運動している天体を指します。
北極星として知られるポラリスは、ポラリス(主星でありポラリスAとも呼ばれる)、ポラリスB、ポラリスAbからなる三連星です。
連星とそのシステムは、星の質量を算出するのに役立ちます。連星の軌道が分かるなら、ニュートンの重力の法則を適用して、2つの質量を測定できるのです。
最近、研究者たちは、ポラリスの周りを円のように動く「ポラリスB」の詳細な軌道イメージを把握することに成功しました。
この情報と新しいハッブル宇宙望遠鏡の視差測定値(星までの距離を計算する方1つの方法)を組み合わせると、ポラリスの質量と距離に関して、非常に正確な数値が算出できます。
これによって算出されたポラリスの質量は、「太陽の約3.45倍」。恒星進化論で導き出された「太陽の約7倍」とは別の答えが出てしまいました。
では、「恒星進化論」と「連星天文学」による計算結果が大きく異なるのはどうしてなのでしょうか?