space

有名な「北極星(ポラリス)」、実は謎だらけの星だった (2/3)

2020.03.13 Friday

前ページ「恒星進化論」では「太陽の7倍」

<

1

2

3

>

「連星天文学」では「太陽の3.45倍」

画像
Credit:Wikipedia NASA/HST

もう1つの計算方法として挙げられるのは「連星天文学」と呼ばれるものです。

そもそも、ポラリスは「連星」です。

連星とは、複数の恒星がセットになっており、両者の重心の周りを軌道運動している天体を指します。

画像
連星の軌道例/Credit:Wikipedia

北極星として知られるポラリスは、ポラリス(主星でありポラリスAとも呼ばれる)、ポラリスB、ポラリスAbからなる三連星です

連星とそのシステムは、星の質量を算出するのに役立ちます。連星の軌道が分かるなら、ニュートンの重力の法則を適用して、2つの質量を測定できるのです。

最近、研究者たちは、ポラリスの周りを円のように動く「ポラリスB」の詳細な軌道イメージを把握することに成功しました。

この情報と新しいハッブル宇宙望遠鏡の視差測定値(星までの距離を計算する方1つの方法)を組み合わせると、ポラリスの質量と距離に関して、非常に正確な数値が算出できます。

これによって算出されたポラリスの質量は、「太陽の約3.45倍」。恒星進化論で導き出された「太陽の約7倍」とは別の答えが出てしまいました。

では、「恒星進化論」と「連星天文学」による計算結果が大きく異なるのはどうしてなのでしょうか?

次ページ「ポラリスは連星衝突から生まれた」説

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

宇宙のニュースspace news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!