「ポラリスは連星衝突から生まれた」説
2つの計算結果の不一致は、どちらかの計算が誤りである可能性を示しています。
今回ニ―ルソン氏は、従来の計算方法に間違いが無いか改めて確認しました。
しかし、すべての情報には信頼性があり、修正すべき点は見つかりませんでした。
結局ポラリスの質量は、未だに「ポラリスの不思議」の1つのままです。
また、ポラリスにはこれ以外にも不思議な要素があります。
連星である2つの星は、通常ほぼ同じ年齢です。
しかし、ポラリスBの年齢計算は、ポラリスBがポラリスよりもはるかに高齢であることを示しています。これは非常に珍しいことです。
これらの経緯により、二―ルソン氏は1つの説に辿りつきました。
「ポラリス連星の主星(ポラリス)はかつて2つの星であり、数百万年前に衝突して1つになった」というものです。
彼によると、「2つの星の衝突は、余分な物質を引き込み、星を若返らせる」とのこと。
連星衝突から生まれる星は、恒星進化論のモデルに適合せず、ポラリスで見つかった矛盾を説明できます。他の研究者たちによれば、「ありそうにもないシナリオだが、不可能ではないだろう」とのことです。
もちろん、これも1つの説に過ぎず、完全な答えではありません。
これほど有名で、たくさん研究されてきた北極星「ポラリス」ですが、未だに謎多き星のままのようです。