私たちはシミュレートされているのかも?
私たちの「脳」や視覚などの「感覚」には限界があるので、宇宙の本質をそのまま経験することはできません。
ですから、それらを学ぶために、「道具」や「概念」を活用しています。
例えば、私たちは実際に非常に遠く離れた宇宙を「目」で確認することができません。最新の望遠鏡を使っても、銀河系の詳細な仕組みを直接確認できないのです。
そんな時に役立ってきたのが「シミュレーション」です。
私たちが観測できる範囲の宇宙や、自然法則の情報を組み合わせて、コンピュータ内で仮想空間を作りあげるのです。
それらをコンピュータ内で作動させることで、動きや仕組みを予測することができます。
これがあれば、もしかしたら将来、宇宙全体をシミュレートすることも可能かもしれません。
では、もし宇宙全体のシミュレーションが可能なのであれば、「既にそうなっている」とは考えられないでしょうか?
私たちが「シミュレートする側」なのではなく、「シミュレートされる側である」と考えることができないでしょうか?
私たちは、何者かがコンピューターでシミュレートした世界の住人なのかもしれないのです。
ローパー氏は「そう仮定するためには、いくつか条件ある」と答えています。
もちろん仮定の話なので、話半分で、あくまで仮定の話として進めていきましょう。
ローパー氏は、オクスフォード大学教授であるニック・ボストロム氏の「シミュレーション論争」の改変されたバージョンに基づいて、5つの仮定を用意しました。
もし、それらの仮定が「真」であるなら、私たちはシミュレーションの中で生きていることになります。