初期の宇宙
現在の理論では、最初の星や銀河が誕生したのはビッグバン後3億年から4億年の「再イオン化の時代」と考えられています。
このとき誕生した最初の星やクエーサーは、冷えた宇宙を再度加熱し、放射線によって宇宙に満ちていた中性水素原子から電子を剥ぎ取り電離(イオン化)させました。
現在宇宙に広がる水素ガスはこのときの影響でほとんどが電離したプラズマの状態になっています。
こうした時代の中に「Pōniuā’ena」も存在しています。
この天体の存在は、宇宙再イオン化時代に何があったのかを知る手がかりになるものです。
現在のところ、初期の巨大クエーサー「Pōniuā’ena」の誕生を明確に説明する理論はありませんが、ここから初期宇宙の状態を知ることができるかもしれません。
この研究は、アリゾナ大学スチュワード天文台の研究者Jinyi Yang氏を筆頭とした研究チームより発表され、論文は天文学に関する学術雑誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載されます。
現在はプレプリントサーバー「arXiv」で内容を閲覧可能です。
https://arxiv.org/abs/2006.13452
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