「CMのテーマ曲が頭から離れない」「アニメソングが脳内で勝手にヘビロテされる」
こんな経験ありませんか?
こうした「ある音楽が頭から離れない」現象は、9割以上の人が経験しており、正式には「イヤーワーム」と呼ばれます。まるで、耳の中に音楽の寄生虫がこびりついたように感じるからです。
イヤーワームは男女ともに起こりますが、研究では、イヤーワームを起こしやすい人(状態)というのが分かっています。
一体、どんな人に起こりやすいのでしょうか。また、イヤーワームの効果的な撃退法はあるのでしょうか。
「イヤーワーム」の仕組みとは?
イヤーワームは、もちろん寄生虫のせいではありませんが、一度頭の中に留まると「認知的かゆみ(Cognitive itch)」と呼べる状態を引き起こします。
私たちは音楽や歌を聴くとき、「聴覚野(auditory cortex)」という脳領域の一部が活性化されます。
米・ダートマス大学の研究では、被験者に馴染みのある曲の一部だけを聴かせると、聴覚野が自然に残りのパートを埋めようと活性化し続けました。
つまり、実際の曲が終わった後も、脳は続きを聞きたいと切望します。このもどかしさが「認知的かゆみ」です。
このかゆみを「掻く」唯一の方法は、聞いた曲の部分を脳内で何度も反復する以外にありません。不運にも、そのかゆみは、蚊にかまれた痕のように、掻くほど(反復するほど)かゆくなります。
その結果、エンドレスに曲の一部分が脳内でヘビロテされるのです。