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2種の絶滅危惧種の魚から誤って新しい「ハイブリッド種」を作ってしまった研究 (2/2)

2020.07.20 Monday

前ページ自然界では決して交わらない2種

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ハイブリッド種は父親似?母親似?

結果的に、数百匹のスタードルフィッシュが誕生し、それぞれが前例のない見た目をしていました。

こちらが、その画像です。

一番上の(a)が「ロシアチョウザメ」、一番下の(d)がアメリカ原産の「ヘラチョウザメ」です。真ん中の2枚がハイブリッドの「スタードルフィッシュ」であり、(b)の個体はロシアチョウザメに、(c)はヘラチョウザメの方に似ています。

ただどちらも、遺伝的に母親となるロシアチョウザメに近い見た目をしていました。

画像
Credit: Kaldy et al., Genes, 2020

これは、他生物における同様の交配実験の大半が失敗していることを考えると、驚くべき結果です。

研究チームは、2種の遺伝的交配が成功した理由について、「チョウザメ遺伝子の類似性や互換性、柔軟性の高さが、生息地や形態的な隔たりを乗り越えたのではないか」と説明します。

一方で、スタードルフィッシュには、ハイブリッドの宿命として短命に終わる個体もおり、生存率は平均して62〜74%でした。それでも100匹近くが、今も元気に生きているそうです。

ただ研究チームは「これ以上ハイブリッド種を作ったり、増やす予定はない」と話します。確かに、人の手による新種が生態系を狂わせる可能性は十分にあるので、懸命な判断と言えるでしょう。

意図せずして誕生した新種は、自然の日の目を見ることなく生物史の闇に消えていくようです。

研究の詳細は、7月6日付けで「Genes」に掲載されました。

Hybridization of Russian Sturgeon (Acipenser gueldenstaedtii, Brandt and Ratzeberg, 1833) and American Paddlefish (Polyodon spathula, Walbaum 1792) and Evaluation of Their Progeny
https://www.mdpi.com/2073-4425/11/7/753/htm

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reference: sciencealertiflscience / written byくらのすけ
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