- 折り紙を応用したマイクロボットが開発される
- 折り紙のように折り畳むことで形状を変化させ、複数のタスクを行える
- 可動域は90°以上であり、1秒間に80回の素早い動作が可能
日本の折り紙は「薄い紙を折り曲げて立体を構築する」技術であり、その造形の美しさや応用性から海外でも高く評価されています。
米国ミシガン大学土木環境工学のエブゲニ・フィリポフ助教ら研究チームは、折り紙の技術を分析し応用することで、1cm以下のサイズの折り紙マイクロボットを開発しました。
この折り紙ロボットは、折り紙のように状況に合わせて形状変化して様々なタスクをこなせるため、医療や人間が入り込めない空間での作業に適しています。
マイクロボットの限界
「マイクロボット」とは、自律移動可能な超小型ロボットのことであり、人間や大きなロボットには入り込めない環境での作業が得意です。
しかしこれまでのところ、マイクロボットは課題を抱えていました。
超小型サイズにするためにロボット自体を単純な構造にしなければならず、行える作業に限界があったのです。
例えば、私たち人間の手と指は複数の関節をもち、個々の関節を曲げたり伸ばしたりすることで、物を掴んだり、引っ張ったり、潰したりと様々な作業ができます。
もちろん実物サイズのロボットハンドは作られていますが、同様の柔軟性や適応性を超小型ロボットに持たせることはできていなかったのです。
ところが最近、フィリポフ氏らの研究チームは、日本の折り紙技術を応用することで、変形し様々な作業が行える「折り紙マイクロボット」を開発しました。