「体当たりでキス」オスイカの命がけの求愛行動
オスイカの求愛は大きくわけて3段階で行われます。
まずは上の動画のように、身体の色彩を波のように変調させながら、3組の腕を素早く振って、メスにアピールします。
この最初のプロセスは「波」と言われています。
「波」が行われているとき、イカは皮膚表面にある何千もの色素器官を高速神経制御によって操っています。
次にオスは「波」を続けながらメスの体に触れる「キス」と呼ばれる行いをはじめます。
しかし、ほとんどの場合、メスはオスの求愛を無視します。
メスはオスの求愛中も海底に擬態したまま、エサを食べ続けます。
そのためオスの「波」と「キス」は1時間近く続くこともあったとのこと。
しかし派手な色彩変化である「波」を長く続けていれば当然、天敵の目を引いてしまいます。
あるケースでは「波」を熱心に続けていたオスが、天敵のカサゴにパクリと食べられてしまったとのこと。
メスへの求愛はオスにとって、命がけだったのです。