一般利用への応用が可能
近年はCOVID-19の世界的な流行によって、仕事もインターネットを介して行われることが増えてきました。
会議やちょっとした仕事のやりとりも、雑談さえネットを介して行うという人は今や多数を占めているでしょう。
そうでなくとも、ここ10年間でインターネットのトラフィックは指数関数的に増加していて、データ需要の増加は1ビットあたりのコストを引き上げてしまっています。
こうした中で多くの科学者たちは、既存の通信回線を利用して、より多くの情報を圧縮して送信できるアイデアを模索しています。
より速く情報を光に変換し、それらの光信号が互いに干渉しないようバランスを取る仕組みです。
今回の研究は、既存の通信インフラをそのまま利用して、いくつかのポイントに増幅器を設置するだけで飛躍的に通信速度が改善できる可能性を示しています。
今回の研究者Galdino博士は「この新技術開発は、低コスト化の傾向を維持したまま、今後増え続けるデータ需要を満足させ、さらに人々の生活を一変させるような今後登場するかもしれない新しいアプリケーションに対応していくために極めて重要なものです」と語っています。
通信速度の世界記録を大幅に更新させた研究成果は、近い未来で既存の回線をアップデートさせてくれるかもしれません。
そうなったら、通信速度にイライラしているという人も、問題が解決することでしょう。
この研究は、UCLのLidia Galdino博士率いる研究チームより発表され、論文は科学雑誌『IEEE Photonics Technology Letters』に7月20日付けで掲載されています。
https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/9144561