竜脚類の胎児に見つかる不思議な特徴
なにはともあれ、この非常に希少な恐竜の胎児の化石は、成体の竜脚類には見られないユニークな特徴を持っており、現在科学者の注目を集めています。
この化石は竜脚類のティタノサウルスの胎児だと考えられています。彼らは長い首に小さい頭を持つ非常に巨大な種です。
竜脚類は、大きいものだと体長50メートルを超えるものも存在しますが、この胎児は数センチしかありません。
Martin Kundrát氏を筆頭とした研究チーム率いる研究チームは、この化石をX線マイクロトモグラフィという新しい画像処理技術で3D化させました。
この画像の解析からまず目についた特徴は、眼窩が成体のものよりも前方に傾斜していることです。
研究チームはこのことから、「ティタノサウルスの幼体は部分的に両眼視(両目を使った立体視)が可能だったと考えられ、成体よりはるかに優れた視覚を持っていた」と結論づけています。
ティタノサウルスの雛は、両眼視により食べ物や獲物との距離をより正確に判断でき、カモフラージュした捕食者を見つける能力に長けていた可能性があるのです。