急激な気候変動
研究チームが発見した木の化石は、現代の低標高の熱帯林に見られる木材と解剖学的によく似ているものです。
この調査で採取された化石や葉、花粉のサンプルからは、この植物が生きていた時代は非常に多湿であったことがわかります。
これは既存の古気候モデルが予想するよりも、もっとずっと湿った環境でした。
この植物が生きた時代は約1000万年前は新第三紀と呼ばれる時代にあたり、現代よりもずっと気温も高かったと考えられます。そのため、おそらく現代にはこの植物と比較可能な生態系は存在していません。
木の化石が発見されたのは標高4000メートルにもなる中央アンデス山脈の高地です。このような高地は乾燥していて、低木の植物しか生えていません。
ですが、この木が茂っていた時代、この辺りは標高2000メートル程度しかなかったと考えらているのです。