温かい淡水に潜む”殺人アメーバ”
殺人アメーバの正式名称は「フォーラーネグレリア」といい、一般に25〜35度の淡水環境に生息します。
感染経路は川や湖、プール、温泉が大半を占めており、飲用水からの感染はきわめて稀です。
フォーラーネグレリアは鼻から入ることで感染し、頭の方に潜り込んで脳を食い荒らします。初期症状は、嗅覚と味覚の異常、ついで吐き気や頭痛、発熱が続き、それから急速に悪化して死に至ります。
フォーラーネグレリアに感染すること自体がとても珍しく、報告例も少ないのですが、致死率が非常に高いことで知られます。アメリカでは、1962年から2018年の間に145人の感染者が出ており、生存者はたったの4人です。
日本国内でも1996年に死亡例があり、検死解剖では「脳が形状を保てないほど溶けていた」と報告されています。
水の綺麗な日本でも決して油断はできません。