未来を描く地図帳、日本人の暮らしはどう変わる?
2100年、日本の風景は今とどれだけ変わっているのでしょうか?
高層ビルが立ち並ぶスマート都市? それとも、誰も住まない空き家だらけの静かな町?
そんな疑問に答えてくれるのが、今回の研究です。
気候変動はもちろん重要な問題ですが、それと同じくらい深刻なのが日本の人口減少と高齢化です。
現在、日本では急速な少子高齢化が進行中で、すでに多くの地域で空き家問題が顕在化しています。
国土交通省の調査によれば、2018年時点で全国の住宅の13.6%、実に約849万戸が空き家とされています。
では、もしこの流れが続いたら、日本はどんな姿になるのでしょう?

これまで、将来の社会構造を予測する際には、世界規模の「共有社会経済経路(Shared Socioeconomic Pathways, SSPs)」が使われてきました。
これを日本に特化してダウンスケールしたのが「日本版SSPs(Japan SSPs)」です。
今回の研究は、このJapan SSPsの改良版とも言えるもので、これまでの推定方法の弱点を乗り越えるために開発されました。
研究者たちは、世帯構成や空き家の推移も加味した現実的な推定を行い、日本全体を1km四方の地図に分割して、未来の家族構成と住宅需要を描き出したのです。
では、それに従うと、2100年の日本の未来はどうなっていたのでしょうか?